日本消化器外科学会雑誌
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胆管拡張 (戸谷分類IVB) を伴った膵胆管合流異常に合併した早期胆嚢癌の1例
中里 雄一羽生 信義成瀬 勝大平 洋一中山 一彦大谷 昌道小野 雅史宮川 朗稲垣 芳則青木 照明
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1997 年 30 巻 7 号 p. 1780-1784

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抄録
症例は58歳女性で, 腹痛, 嘔吐を主訴に来院した.腹部USで急性胆嚢炎と胆嚢の隆起性病変を認め, 同日PTGBDを施行した.ERCPでは最大20mmの紡錘形肝外胆管拡張と, 長さ20mmの嚢腫状の共通管が認められた.PTGBDより採取した胆嚢胆汁の細胞診がclass Vであり, 戸谷分類IVB型胆管拡張を伴う膵胆管合流異常に合併した胆嚢癌と診断し, 肝床切除胆嚢摘出術および胆管切除D2リンパ節郭清と総肝管空腸Roux-en Y吻合術を施行した.摘出標本では胆嚢底部に乳頭状広基性I型隆起とIIa型粘膜内進展部を認めた.病理組織学的には乳頭腺癌でhinf0, binf0, vs0, n0, bw0, hw0, ew0であり深達度は癌組織が一部Rotikansky-Aschoff sinus内に達しているが間質への浸潤はなくm癌であった.膵胆管合流異常に合併した早期胆嚢癌はまれであり, さらに戸谷分類IVB型胆管拡張を伴う症例はきわめてまれなので報告した.
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