日本消化器外科学会雑誌
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胃癌のリンパ管侵襲におけるE-cadherin, autocrine motility factor receptorの関与について
土岐 祐一郎塩崎 均川西 賢秀五福 淳二矢野 雅彦辻仲 利政井上 雅智門田 守人
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1998 年 31 巻 10 号 p. 2162-2166

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抄録

癌細胞の細胞接着能をE-cadherin (ECD) で運動能をautocrine motility factor receptor (AMFR) にて評価し, 胃癌のリンパ管侵襲 (ly), リンパ節転移 (n) の術前予測が可能であるかどうかを検討した.ECD, AMFRの発現は切除標本および術前生検標本の免疫染色にて評価し, 同時に末梢血中のE-cadherin可溶性fragment (SECD) をELISAにて測定した.
分化型の胃癌ではECDの発現はly, nの有無と負の相関を示したが, 低分化型では関連を認めなかった.AMFRの発現は深達度と相関を示すが, ly, nとは相関を認めなかった.また, ECDとAMFRの発現は負の相関を示し, 両者の共発現パターンで分けるとECD (-)/AMFR (+) の症例が最も悪性度が高いと考えられた.nとlyの有無が一致しない症例が21%に認められたが, ECD, AMFRの発現性では不一致症例を予測できなかった.しかし, SECDはnまたはlyが陽性の症例で高値を示しており, n, lyの術前予測の指標として今後臨床応用が期待された.

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