日本消化器外科学会雑誌
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虫垂Crohn病の1例
森田 敏弘山内 利夫熊沢 伊和生堅田 昌弘山田 慎佐治 重豊
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1998 年 31 巻 12 号 p. 2397-2401

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抄録

虫垂に限局したCrohn病は非常にまれな疾患で, 本邦では10例の報告をみるにすぎない. 今回, われわれは虫垂Crohn病と診断された1例を経験したので報告する. 症例は20歳の男性, 右下腹部痛を主訴に当科を受診した. 受診時, 右下腹部に圧痛, 筋性防禦を認めた. 腹部超音波, 腹部CTで回盲部に腫大した腫瘤陰影を認めた. 急性虫垂炎と診断し, 緊急開腹術を施行した. 虫垂は炎症性に著明に腫大しており, 35×30mmの大きさであった. 虫垂腫瘍と診断し, 2期的にD2リンパ節郭清を伴う回盲部切除を施行した. 術後の病理組織検査で, 虫垂に全層性炎症性病変, 非乾酪性小型肉芽腫および裂溝が認められ, 虫垂Chohn病と診断された. 術後経過は順調で, 2年経った現在, 再発の徴候は認めていない.

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