日本消化器外科学会雑誌
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Crohn病手術後早期に発症した難治性瘻孔の3例
福島 恒男鬼頭 文彦小尾 芳郎松尾 恵五菊池 光伸小金井 一隆篠崎 大木村 英明藤井 正一
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1999 年 32 巻 1 号 p. 55-59

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抄録
Crohn病腸手術156例中3例 (1.9%) においては術後早期に再発, 遺残病変がないにもかかわらず, 吻合部を中心に縫合不全による瘻孔を繰り返した. 症例は男性2例, 女性1例, Crohn病の平均発症年齢19歳で, 術後に瘻孔を平均4.7回 (4, 5, 5回) 合併し, それぞれ3回の再手術を要したが, 1例は治癒し, 1例は未治癒, 1例は死亡した.
3例とも術前の経過, 全身状態, 検査結果に特記すべきことはなく, 腸の創傷治癒機転の障害が認められた. このような例はまれではあるが, 原因はCrohn病そのものにあるのか, 他に原因があるか不明である. この原因が解明されれば, 手術はより安全になると期待される.
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