日本消化器外科学会雑誌
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大量出血を来した小腸潰瘍の1治験例
齊藤 直人小山 勇安西 春幸篠塚 望鈴木 義隆松本 隆浅野 博尾本 良三
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2000 年 33 巻 1 号 p. 94-97

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抄録
大量出血を来した非特異的な小腸潰瘍の1例を経験したので報告する.症例は60歳の男性.下血および下腹部痛を主訴に緊急入院した.入院後再度多量の下血を認め, ショックに陥った.この際施行した血管造影では, 異常を認めなかったが, 99mTc-RBCシンチグラムにて回腸と思われる部位からの出血と判断し, 緊急手術を施行した.手術所見では, 回盲部より約40cm口側の回腸に小さな硬結として触れる部位を発見し, この部位を楔状切除した. 病理組織診断では, Ul-IIの単純性小腸潰瘍と診断された.本症例では大量出血をきたした, Ul-IIの比較的小さな非特異的単純性小腸潰瘍であり, 99mTc-RBCシンチグラムが診断に非常に有用であった.
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