日本消化器外科学会雑誌
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壁外性発育を示した胃内分泌細胞癌の1例
北島 政幸小野 憲高田 丈関 英一郎冨木 裕一林田 康男鎌野 俊紀鶴丸 昌彦高瀬 優松本 俊治
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2000 年 33 巻 10 号 p. 1762-1766

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抄録

症例は55歳の男性. 左上腹部痛を主訴として来院. 腹部超音波, CT検査で周囲組織を圧排するように発育した胃原発と思われる腫瘍を認めた. 胃内視鏡検査では胃体中部後壁に2個の潰瘍を伴う大きさ10cm大の粘膜下腫瘍様の病変を認め, 潰瘍辺縁からの生検はGroup Vであった. 胃体中部後壁5'型T4, 胃癌の診断で, 胃全摘術および脾臓, 横行結腸合併切除術を施行した. 病理組織学的検査では円形から短紡錘形の核より成る小型の細胞が索状配列, 偽ロゼット構造を形成し, NSE染色, Grimelius染色, chromogranin A染色陽性で胃内分泌細胞癌と診断した.
胃内分泌細胞癌は全胃癌中0.06~0.08%とされ, さらに壁外性の発育を示した症例は自験例を含め3例にすぎず, 形態的にもまれなものと思われた.

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