日本消化器外科学会雑誌
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腹腔鏡下Nissen手術で著効を呈した巨大食道裂孔ヘルニアの1例
石原 明普光江 嘉広村上 雅彦佐藤 篤李 雨元大塚 耕司加藤 貴史草野 満夫
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2001 年 34 巻 3 号 p. 210-213

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抄録

症例は84歳の女性. 喘鳴, 食思不振を主訴に入院となった. 胸部単純X線検査, 上部消化管造影X線検査, 上部消化管内視鏡検査から, 胃軸捻転を伴った食道裂孔ヘルニアによる呼吸障害と診断された. 合併する肺炎に対しては抗生剤投与にて一時的には軽快したが, 形態異常からくる呼吸器症状の改善は内科的治療では困難と考え, 腹腔鏡下に手術を行った. 手術はヘルニア嚢を切除したのち食道裂孔を縫縮し, Nissenのfundoplicationを施行した. 術後経過は良好で, 喘鳴は完全に消失し胃軸捻転も改善されたため退院となった.
胃軸捻転を伴った食道裂孔ヘルニアに対し, 腹腔鏡下のNissen手術を施行したことで劇的に症状の改善が得られ, 良好な経過をとった1例を経験したので報告する.

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