日本消化器外科学会雑誌
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漿膜側脂肪組織を巻き込んだ内翻Meckel 憩室による成人腸重積症の1例
本田 五郎大島 茂樹多田 修治志垣 信行荒井 光広箕田 誠司瀬井 圭起
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2002 年 35 巻 1 号 p. 83-87

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抄録

症例は41歳の男性で, 3日間続く心窩部痛, 嘔吐, 下痢を主訴に来院し, 急性腸炎の疑いで入院となった.入院後の腹部CTで, 回腸から上行結腸にかけての肥厚した腸管壁の重複輪状影と, その内部に均一な脂肪密度の腫瘤影を認め, 回腸脂肪腫に起因する腸重積症と診断した, 開腹したところ, 回腸回腸結腸型の重積を認め, 回腸部分切除術を行った.切除した回腸には, 黄色調の割面を持つ茸状の隆起性病変を認めた.病理組織学的に, 表層は内翻した小腸壁に異所性胃粘膜組織を伴っており, 内翻したMeckel憩室と診断した.中心部の脂肪組織は腸間膜と連続しており, 巻き込まれた漿膜側脂肪組織であった.Meckel憩室は, 漿膜側の正常脂肪組織を巻き込んで内翻することがあり, この脂肪組織は, 脂肪腫との鑑別に注意を要する.

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