日本消化器外科学会雑誌
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リウマチに続発するアミロイドーシスによる小腸穿孔の1救命例
位田 歳晴吉田 正史飯塚 恒芹沢 隆宏村上 恭紀
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2002 年 35 巻 11 号 p. 1698-1702

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抄録

アミロイドーシスによる消化管穿孔はまれであり, 予後は極めて悪い. 続発性アミロイドーシスによる小腸穿孔症例を手術によって救命しえたので報告する.患者は79歳の女性. 40歳からの慢性関節リウマチ (以下, RA と略記) の治療中, 穿孔性腹膜炎のため緊急手術を施行した. 回腸末端より口側約1mの回腸に直径3mmの穿孔を認め, この部を含む硬く, 腫大した約80cmの小腸を切除した. 切除小腸粘膜面には大小不同の潰瘍が多発していた. 病理組織学的には粘膜下層の血管壁にアミロイドの沈着を認めた. このアミロイドは免疫染色でamyloid A蛋白と同定され, RAによる続発性アミロイドーシスと考えられた. 術後約3か月で経静脈栄養から完全に離脱でき, この1年間とくに腹部症状は認めていない.

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