2002 年 35 巻 11 号 p. 1717-1720
まれな疾患, 結腸GISTを経験したので報告する. 症例は35歳の女性で, 下腹部痛を主訴に受診し, 腹膜炎の診断で緊急手術を行った. S状結腸には壁外性に発育し穿孔を伴う大きな腫瘤を認め, S状結腸切除術を施行した. 病理組織学的検査および免疫組織学的検査では, 紡錘形を主とする束状から充実性に増殖する腫瘍細胞が結腸全層に及び, SMA染色陰性, S-100染色陰性, c-kit染色陽性, CD34染色陽性であること, また細胞異型, 増殖形態より悪性と考えられ, malignant gastrointestinal stromal tumor“uncommitted type”と診断された. 術後18か月経過し, 無再発生存中である.