日本消化器外科学会雑誌
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肝内結石症に合併した早期肝内胆管癌の1例
柴田 裕上田 忠関 仁史八木橋 法登
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2002 年 35 巻 2 号 p. 166-170

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抄録
症例は73歳の女性. 特に症状を認めなかったが, 胆道系酵素の上昇を指摘され, 精査目的にて入院した. 腹部US・CT検査にて, 左肝内胆管および総胆管の拡張が認められた. 経皮経肝胆道造影で左肝内胆管および総胆管の著明な拡張と, 左肝管分岐部に狭窄を認めた. 経皮経肝胆道ドレナージチューブからの細胞診よりClass V (adenocarcinoma) と診断した. 以上の所見から, 肝内胆管癌を合併した肝内結石症と診断し, 肝左葉切除・肝外胆管切除・右肝管空腸吻合術を施行した. 病理組織学的診断は胆管粘膜に限局する乳頭状腺癌であった. 術後経過は良好で, 術後12か月の現在, 結石および癌の再発の徴候なく外来にて経過観察中である.
今回, われわれは肝左葉切除術を施行した早期肝内胆管癌を合併した肝内結石症の1切除例を経験したので報告する.
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