日本消化器外科学会雑誌
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透析アミロイドーシスによる小腸穿孔の1例
辻 孝澤井 照光柴崎 信一七島 篤志地引 政晃山口 広之安武 亨中越 享綾部 公懿安倍 邦子
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2002 年 35 巻 2 号 p. 176-179

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抄録
慢性透析患者において透析アミロイドーシスによる小腸穿孔を経験した. 症例は56歳の女性. 23年間の透析歴があり, 両側手根管症候群および破壊性脊椎関節症の手術歴を有していた. 下痢で発症し, 4か月後に穿孔性腹膜炎を生じて緊急手術を行った. 小腸中央部に16×8mm大の穿孔を認め, 小腸部分切除術, 端々吻合を行った. 病理学的検索で粘膜下層の血管壁にアミロイドの沈着を認め, β2-microglobulin染色陽性であることから透析アミロイドーシスと診断された. 術後早期に縫合不全をきたしたが, 最終的には敗血症により術後5か月目に死亡した.
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