日本消化器外科学会雑誌
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下部直腸癌と併存した十二指腸下行脚の広範な表面型腺腫の1例
吉川 智道佐々木 一晃高坂 一川崎 浩之大野 敬祐大野 敬西川 紀子平田 公一
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2004 年 37 巻 2 号 p. 235-240

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抄録

患者は69歳の男性で, 主訴は下血, 排便困難, 併存症は糖尿病, 高血圧にて内服加療中であった. 下血, 排便困難を主訴に近医受診, 直腸癌の診断にて手術目的に当院入院となった. 術前スクリーニング検査として上部消化管内視鏡検査を施行したところ, 十二指腸下行脚Vater 乳頭部肛門側にほぼ全周性の表面型腺腫を認めたため生検施行. その結果, 高度異型性を伴う管状腺腫と診断された. 上部消化管超音波内視鏡検査で病変は粘膜内にとどまる病変として確認された. なお, 他の腫瘍性病変を認めなかった. 下部直腸癌に対し低位前方切除術を施行, 十二指腸腺腫についても悪性の可能性も否定できず, 十二指腸切開, 十二指腸環状部分切除術を施行した. 摘出物の病理組織学的検査の結果, 直腸は高分化型腺癌, 深達度se, stage IIIb, 十二指腸は一部に高度異型性を伴う管状繊毛腺腫であった

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