日本消化器外科学会雑誌
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限局性悪性腹膜中皮腫の1切除例
五十嵐 直喜萩生田 純星本 相淳松井 英男小山 恭正宮北 誠
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2004 年 37 巻 8 号 p. 1453-1457

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抄録
症例は72歳の女性で, 他院で貧血を指摘され精査加療目的で入院となった. 腹部CT, MRIでは回腸部に不均一に造影効果を伴った80mmの腫瘤を認めた. 小腸透視検査では粘膜面に隆起を伴う圧排像を認めた. 腹部血管造影検査で腫瘍濃染像を認めた. 以上より小腸原発の粘膜下腫瘍を疑い開腹手術を施行した. 開腹時少量の腹水を認めた. 腫瘍は回腸末端より100cm口側に手拳大の腫瘍として認められた. 腫瘍は腸間膜より発生し小腸まで浸潤していると考えられた. その他に病変は認められなかった. 病理組織診断で腹膜悪性中皮腫と診断された. 本疾患は外科的切除の可能な限局性の頻度は少なく, また予後不良とされているが, 本症例は術後1 年の経過で再発はない.
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