日本消化器外科学会雑誌
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脾転移を伴った虫垂粘液嚢胞腺癌による腹膜偽粘液腫の1例
宮本 英雄沖田 浩一草間 律藤森 芳郎山岸 喜代文西村 博行篠原 直宏
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2006 年 39 巻 3 号 p. 377-383

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抄録
腹膜偽粘液腫はlow grade malignancyの腫瘍細胞による腹膜播腫性病変であるが, 遠隔転移は非常にまれである. 我々は脾転移を伴った虫垂原発の粘液. 胞腺癌による腹膜偽粘液腫を経験したので報告する. 症例は61歳の男性で, 1999年から脾. 胞を指摘されていた. 2003年, 鼠径ヘルニアの手術時に, 腹膜に結節病変を認め腹膜偽粘液腫が疑われた. 腹部CTで脾臓に13×11×16cmの多房性腫瘤を認め, 2004年2月手術を行った. 脾臓は小児頭大であり, 腹腔内に多量のゼリー状の粘液物質が貯留し, 腸管, 腸間膜および大網に無数の粘液結節の播種を認めた. 虫垂は軽度腫大していた. 脾摘, 大網部分切除, 虫垂切除を行い, 粘液物質を可及的に除去した. また, 腹腔内を温生食および蒸留水で洗浄した. 病理組織学的には虫垂の粘液性.胞腺癌で, 脾病変は転移と診断された. 脾. 胞を認めた場合には本疾患の可能性も念頭に置き, 虫垂病変の有無を検索する必要があると考えられた.
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