日本消化器外科学会雑誌
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血液透析および真性多血症治療中に発症した宿便性大腸穿孔の1例
原田 直樹塚本 好彦佐溝 政広宮下 勝
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2008 年 41 巻 2 号 p. 247-252

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抄録
症例は61歳の女性で, 11年前より真性多血症 (polycythemia vera; 以下, PV) と診断され内科的治療を施されていた. また, IgA腎症による腎不全にて人工透析, ステロイド療法を施行されていた. 強い腹痛を主訴に外来受診. 大腸穿孔による汎発生腹膜炎と診断された. 緊急手術を施行し, 直腸S状結腸移行部に楕円形の穿孔を確認, S状結腸切除, 人工肛門造設術を施行した. 宿便性大腸穿孔と診断された. 術後集学的治療を行い術後40日目に軽快退院となった. PVを合併した患者の手術成績は不良で, 緊急手術例もまれである. 文献的考察とともに報告する.
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