日本消化器外科学会雑誌
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拡張腸管内の貯留液CT値からみた絞扼性イレウス診断
宮木 祐一郎山口 晃弘磯谷 正敏原田 徹金岡 祐次亀井 桂太郎鷲津 潤爾相川 潔小林 利彦
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2008 年 41 巻 4 号 p. 464-468

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抄録

小腸絞扼性イレウス診断における拡張腸管内貯留液CT値の有用性について検討した. 2004年3月~12月までに当院にて小腸イレウスと診断し, 拡張腸管内貯留液と腹水のCT値が測定可能であった34例を対象とした. 方法は, 拡張した腸管内貯留液のCT値を異なった3点で測定し, 腹水のCT値は2点で測定した. 経過と手術所見から絞扼群11例と非絞扼群23例とに分類し, 2群間のCT値を比較した. 拡張腸管内貯留液のCT値は絞扼群が28.5±8.5HU, 非絞扼群が18.3±6.5HUで両群間に有意差を認めた (p<0.01). receiver operating characteristic curve曲線による検討から絞扼性イレウスのcut off値は22HUと考えられた. 腹水CT値では有意差はなかった. 拡張腸管内貯留液CT値測定が絞扼性イレウスの診断に有用であると考えられた.

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