日本消化器外科学会雑誌
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手術侵襲と糖代謝
尿糖排出量とN-balanceを中心としたmaltose輸液とglucose輸液の比較
山光 進相川 真鍋田 光一早坂 滉
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1976 年 9 巻 4 号 p. 482-489

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抄録

栄養輸液の糖質としては, glucose使用が最も多く, ときにfructoseが使用されているが, 近年maltoseが同一滲透圧で2倍のカロリーを供給できることで注目された.今回われわれはmaltoseの連日投与と術後栄養管理におけるmaltoseとglucoseについて検討した。その結果, maltose 100g連日投与でも異常過血糖や血清maltose消失速度の変化はなく, 尿中排出量の減少傾向が認められた.しかし家兎を用いた実験では, maltose連日大量投与による組織内maltase活性の上昇は認められなかつた.また術後使用ではglucose (5%, 10%, 20%) に比べmaltose (10%) 使用の尿糖排出が著明に多く, maltose投与方法についての検討の必要性が感じられた.

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