日本消化器外科学会雑誌
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胃全摘・ρ吻合の術後障害および術後愁訴
島津 久明安達 秀治富山 次郎丸山 寅巳草間 悟石川 浩一
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1976 年 9 巻 4 号 p. 520-526

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抄録

過去12年間に当教室において施行した胃全摘症例の総数は190例で, その手術死亡率は3.7%であった.初期にはBillroth II法型吻合やRoux-Y型端々吻合などを実施したが, その後の大多数の症例にはρ吻合を採用した.全症例の93.7%の原疾患は胃癌で, これらの症例の累積5年生存率は25.6%であつた.ρ吻合施行症例においても, 体重の回復状況は不良で, 調査した2/3の症例が術前の入院時体重よりも5%以上の減少を示していた.これに対して, 各種の愁訴の発生頻度はあきらかに改善され, とくにρの長さを30cm以上にするようになつて以来, 重症の逆流性食道炎が発生することはきわめて稀になつた.なお術後3年以上を経過すると, 徐々に無胃性貧血が出現する傾向が認められた.

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