日本消化器外科学会雑誌
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胆のうのHourglass Deformity症例, とくに胆のう形態の相異 (X線上) とその成因および胆石との関係について
武藤 良弘内村 正幸脇 慎治林 輝義鮫島 恭彦門野 寛石垣 実弘室久 敏三郎
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1976 年 9 巻 5 号 p. 631-637

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抄録
胆のう造影で胆のう体部の狭窄を示すHG型胆のうを3亜型に分類し, これら形態とその成因および胆石との相互関係を検討した結果, (1) 分離型は壁内結石, 隔壁型は隔壁形成に原因することが多く, 砂時計型は種々の成因による内腔狭窄を認めた.(2) 分離型および砂時中型は全例胆のう結石を認めたが, 隔壁型では62%に胆石を伴つていた.(3) 壁内結石やR-A sinus増殖等の後天性原因の全症例に胆石の合併をみたが, 隔壁形成やserosal typeの先天性原因による症例では76%に胆石が合併していた. 以上の成績より単一胆のうにみられる二房性胆のうの1つであるHG型胆のうは胆石を起しやすく, 臨床上重要な疾患と考える.
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