日本衛生学雑誌
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パラコート中毒における初期治療を目的とした吸着剤の評価に関する研究
北小路 学三好 保棚田 成紀中村 武夫
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1988 年 43 巻 5 号 p. 956-961

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抄録
パラコート中毒処置を目的として吸着剤の評価に関する研究を行った。40種の材料(活性炭,ゼオライト,モレキュラーシーブ,陽イオン交換樹脂等)を除去剤として使用し,in vitroにおける除去率,除去速度について検討した。
その結果,陽イオン交換樹脂が除去率,除去速度とも高値を示した。陽イオン交換樹脂によるパラコートの除去速度は,主に樹脂の架橋度によって支配されることが示唆された。また,ゲル型の陽イオン交換樹脂の方がポーラス(MR)型の樹脂より有利であることが見い出された。特に,ポリスチレンスルホン酸ナトリウムであるケイキサレートは,その外部表面積が大きいことにより,最大の除去率,除去速度を示した。
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