頭頸部癌
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中咽頭癌の治療戦略
中咽頭癌の治療戦略
梅野 博仁千々和 秀記坂本 菊男千年 俊一中島 格鈴木 弦田中 法瑞早渕 尚文
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2004 年 30 巻 3 号 p. 428-433

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抄録
1971年から2001年までに当科で治療した中咽頭扁平上皮癌一次根治症例195例を放射線治療主体群, 手術主体群, 手術+放射線群に分類し, 亜部位別に有効な治療方法を検討した。更に, 各亜部位別に原発巣切除方法や術後誤嚥への対策を検討した。全根治例での5年局所制御率は64%, 5年生存率は58%であった。5年局所制御率は手術+放射線治療群が有意に良好であったが, 生存率に差はみられなかった。亜部位別での5年局所制御率, 生存率は後壁型が有意に不良であった。前壁型では舌根切除+喉頭水平部分切除を行い良好な局所制御が得られた。側壁癌舌根浸潤例では舌根1/2を切除すると喉頭保存例が半数となった。後壁型では原発巣拡大切除が必要で, 口内か舌骨経由での切除が術後誤嚥の防止に大切と考えられた。上壁型の局所制御には原発巣の充分な安全域を含めた切除+放射線治療が必要であった。
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© 2004 日本頭頸部癌学会
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