頭頸部癌
Online ISSN : 1881-8382
Print ISSN : 1349-5747
ISSN-L : 1349-5747
咽頭・中下咽頭
中咽頭進行癌に対する超選択的動注化学療法
中谷 宏章池永 弘之福島 慶山河 和博中平 光彦楯 敬蔵竹田 泰三
著者情報
ジャーナル フリー

2005 年 31 巻 1 号 p. 45-49

詳細
抄録
T3以上の局所進行癌において,1999年までの旧治療47例と2002年以降の超選択的動注化学療法施行12例で治療成績を比較検討した。旧治療群では27例に原発巣の手術が行われ,全例に再建術を用いた広範切除が行われていた。残る20例には放射線を主体とした治療が行われていた。動注群では外照射と平行して,CDDPを1回量100mg/m2で1~2週に1回投与した。旧治療群の原病5年生存率はT3非手術例が33.3%,T3手術例が62.2%,T4非手術例が25.4%,T4手術例が48.6%であり,無病5年生存率はT3非手術例が20%,T3手術例が27.2%,T4非手術例が20%,T4手術例が31.3%であった。動注群における原発部位の治療効果はCR率91.3%,奏効率100%で,1例が腫瘍死,2例で再発がみられたが,再発例にはsalvage手術を行い,現在11例が非担癌生存している。
著者関連情報
© 2005 日本頭頸部癌学会
前の記事 次の記事
feedback
Top