抄録
CPT-11/TXT/5FU or TS-1が著効した症例を経験したので報告する。症例は68歳男性。初回治療は喉頭癌T2N0M0,扁平上皮癌にて放射線療法70Gyを施行し,CRを得た。約1年後に局所再発を認めた。本人が手術,治療を拒否されたため経過観察となったが,3ヶ月後に肺転移,気道狭窄を来した。呼吸困難が出現し,化学療法に同意された。TS-1/CDGPを投与したが,2クール目にCDGPでアナフィラキシーを来した。腫瘍が増大し,気管切開施行後にCPT-11/TXT/5FU or TS-1を6クール施行した。腫瘍は著明に縮小し,1クール後には気管カニューレを抜去でき,2クール目途中からは外来で化学療法を施行した。経過中,grade 3の白血球減少,貧血,grade 1の嘔気を認めた。5ヶ月経過した現在,CTにて瘢痕組織様の陰影を認めるが,陰影の増大はなく,喉頭ファイバー上も腫瘍を認めていない。