2006 年 32 巻 4 号 p. 455-458
1995年から2000年までに外科的根治手術のみを行ったStage I,II舌扁平上皮癌50例を対象として,切除標本における周辺上皮の上皮性異形成の意義について検討した。その結果,周辺上皮の上皮性異形成は26例(52%)にみられた。また,上皮性異形成は腫瘍の発育様式,腫瘍の大きさ,深さ,術後の局所再発と関連していた。さらに,術後の局所再発には腫瘍の大きさ,深さ,上皮性異形成の有無が関連していた。ロジスティック多変量解析では,上皮性異形成,とくに4点以上の症例が再発の予測因子であった。