頭頸部癌
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喉頭
早期声門癌に対する放射線治療後の局所再発例の検討
寺田 友紀佐伯 暢生藤 久仁親宇和 伸浩佐川 公介冨士原 将之阪上 雅史
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2006 年 32 巻 4 号 p. 459-463

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抄録

早期喉頭癌の放射線治療非制御例に対し,救済治療,喉頭保存率,生存率などを検討した。対象は1988年から2002年に根治的放射線治療を行なった早期声門癌186例(T1:135例,T2:51例)のうち,照射非制御例33例とした。すべて男性で,年齢は52歳から81歳,平均66歳であった。放射線非制御率は,T1が12.6%,T2が31.4%であった。rT2症例にはほとんど全例に喉頭全摘が行われており,喉頭部分切除はなかった。5年喉頭保存率は全体で21.6%であり,rT1は66.7%,rT2は16.7%であった。死因特異的5年生存率はrT1が75%,rT2が100%,rT3以上が33.3%であった。照射非制御例の喉頭保存率は低く,これを向上させるにはrT2症例に対し,どれだけ喉頭部分切除術ができるかにかかっていると思われた。そのためにはより厳重な定期診察を行ない,再発癌の早期発見が必要と思われた。

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© 2006 日本頭頸部癌学会
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