頭頸部癌
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顎下腺原発の濾胞性リンパ腫の一例
吉本 仁横山 純吉矢澤 真樹覚道 健治
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2006 年 32 巻 4 号 p. 519-522

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抄録

唾液腺原発の悪性リンパ腫は稀で,その発生頻度は全悪性リンパ腫の4.7%と低い。さらに顎下腺に発生するものは9~16%程度である。また,唾液腺に発生する悪性リンパ腫はMALTリンパ腫が半数以上を占め濾胞性リンパ腫は10~30%程度を占めるのみである。今回,我々は顎下腺に発生した非常に稀な濾胞性リンパ腫を経験したので報告する。患者は58歳,女性で左顎下部の腫瘤を主訴に来院した。穿刺吸引細胞診の結果はClass Iであったが,悪性腫瘍を疑い,全身麻酔下にて顎下腺腫瘍切除術を施行した。術中迅速診断では悪性リンパ腫疑いと診断され,最終診断はGrade 1の濾胞性リンパ腫と診断された。病期分類はStage IVAでリツキシマブ,シクロホスファミド,アドリアマイシン,ビンクリスチン,プレドニゾロンによる化学療法が施行された。計8コースを終了し,治療効果は良好で現在経過観察中である。

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© 2006 日本頭頸部癌学会
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