頭頸部癌
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その他臨床
Management of local complications after head and neck reconstruction
小野田 聡大槻 祐喜長谷川 健二郎難波 祐三郎木股 敬裕杉山 成史小野田 友男江口 元治水川 展吉
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2010 年 36 巻 3 号 p. 369-372

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抄録

頭頸部再建手術の目的は,癌治療の一環の外科的療法として,術後の良好な機能,整容的結果を得ることなどであり,それと同時に手術侵襲を可及的に少なくすることを考慮する必要がある。
一方,頭頸部癌切除後の再建を要する患者群は,生命予後の厳しい患者群であることが多い為,最も大切なことは,術後の局所合併症を減らし,早期に退院できることを目指した手術を行うことである。
再建術後の局所合併症による創部の治癒遷延は術後の後治療を遅らせるだけではなく,摂食,会話等の機能回復においても不利益となる。
この為,我々は臨床所見,画像所見を総合的に判断し,必要な際には積極的に創部を開放し合併症の早期発見に努めている。これにより,多くのケースで局所の合併症が皮弁の全壊死など重大な合併症を引き起こす前に発見でき,頸部の感染症状,汚染を最小限に食い止めることが出来たと考えられる。今回我々は,局所合併症の予防,対処法について検討してみた。

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© 2010 Japan Society for Head and Neck Cancer
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