抄録
80歳以上の超高齢者24例を対象に,気道関連臓器浸潤に着目して適応を考察した。24例中18例において臓器浸潤を認めたが,反回神経浸潤が13例に,喉頭浸潤が4例に,気管浸潤が5例において認められた。反回神経浸潤例では5例に神経即時再建,2例に甲状軟骨形成術I型を併施した。気管浸潤例には窓状切除を行ったが,全例において開窓孔の閉鎖が可能であった。臓器浸潤を認めなかった症例が6例存在し,濾胞癌の1例以外は甲状腺片葉切除とD1郭清のみを行った。原病死の3例はいずれも遠隔転移死で,気道関連臓器周囲での再発例はなかった。緩徐な進行を特徴とする甲状腺癌ではあっても,近々の気道関連臓器浸潤を考慮すれば,たとえ超高齢者であっても根治切除が求められるべきと考える。