2012 年 38 巻 3 号 p. 285-289
症例が少なく予後不良な甲状腺未分化癌(ATC)の治療成績向上を究極の目的として,2009年1月,多施設共同研究機構である甲状腺未分化癌研究コンソーシアムが設立された。本邦におけるATCの現状を把握するため,多数症例の情報を集積したデータベースを作成することを最初の仕事とした。2011年7月までに38施設721症例から成るデータベースができ,これまでにATCの予後因子,治療法,病理組織学的特徴,偶発型ATC,ATCに特徴的な石灰化像,拡大根治切除の意義などについて報告を行った。2012年5月には,医師主導型前向き臨床試験として,「ATCに対するweekly-paclitaxelによる化学療法の認容性,安全性に関する前向き研究」(通称:アタックJ)がスタートした。