抄録
放射線(化学)療法後の喉頭全摘術における甲状腺の取り扱いについて検討した。
喉頭癌に対して放射線(化学)療法を行った喉頭癌症例における原発巣の遺残・再発に対して,1996年から2008年の間に当院で喉頭全摘出術を施行した88例を対象とした。腫瘍局在の亜分類は声門上/声門/声門下/混合型=24/58/2/4例,初回治療前の臨床病期はStage I/II/III/IVA=37/31/11/9例であった。
甲状腺の処理は甲状腺全摘/片葉切除/両葉温存=18/65/5例であった。気管壊死は甲状腺全摘例で1例認めたのみであった。気管孔周囲再発は3例に認め,声門癌1例,混合型2例であった。気管傍リンパ節への転移は声門癌症例でのみ認めた。
放射線(化学)療法後の喉頭全摘術において声門上癌例では気管傍リンパ節の郭清は必ずしも必要ではないことが示唆された。また甲状腺を温存する事で術後の局所トラブル予防に有用であると考えられた。