抄録
我々は2004年から2011年末までに下咽頭・喉頭部分切除と同時に遊離組織移植による再建を23例に対して行った。再建材料は空腸パッチ18,前腕皮弁4,前外側大腿皮弁1で,喉頭の披裂軟骨が温存された16症例では空腸を,披裂軟骨まで切除された7例のうち5例で皮弁による再建を行った。移植組織はすべて生着したが,空腸1,皮弁4例で術後瘻孔を生じた。肺転移などで死亡した2例を除く21例のうち16例は経口摂取可能となっているが,放射線化学療法などを追加した5例が誤嚥のため経管栄養のままとなっている。下咽頭・喉頭部分切除においては,披裂喉頭蓋ヒダの再建の良し悪しが術後の誤嚥防止に大きく関与する。披裂喉頭蓋ヒダの再建には前腕または前外側大腿皮弁での再建が良いとの報告もあるが,我々は披裂軟骨が温存された症例においては空腸パッチによる再建でも良好な結果が得られると考える。