頭頸部癌
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頭頸部再建外科の新展開〜上下顎の理想的再建
歯科インプラントを用いた機能的顎骨再建
又賀 泉
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2013 年 39 巻 3 号 p. 298-304

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抄録
顎骨切除後の欠損に対して様々な再建方法が報告されてきた。とくに進展口腔癌に対する顎骨を含めた腫瘍切除後の再建は,欠損範囲が大きいこと,軟硬両組織の欠損を伴うこと,頸部郭清や照射を受けているなどの理由から,困難な場合が少なくない。例え再建がうまくいっても顎堤の多くは平坦で義歯の維持源がなく,無歯顎においては咀嚼や構音機能の回復が困難であった。そこで再建顎骨とくに無歯顎症例に対して歯科インプラントを埋入し,これを固定源として義歯を作製し補綴学的再建を試みた。今回はとくに1992年10月から血管柄付き腓骨皮弁により顎骨再建された腓骨中に直接歯科インプラントを埋入し,埋入後10年以上経過した8症例41本を対象とした。その結果腓骨へ埋入した3本が喪失したが再埋入し,インプラントの残存率は92.4%であった。顎骨再建の時期の多くは二期的再建で,インプラントの埋入は再建と同時が3例で,5例は再建6~12ヶ月後二次的に埋入した。上部構造はscrew on dentureが1例で,他の7例は患者可撤式義歯で,インプラントとはアタッチメントで連結されていて取り外しが可能である。2012年度診療報酬点数の改訂により,再建顎骨に対するインプラントによる機能的再建経費が保険導入された。
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© 2013 日本頭頸部癌学会
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