抄録
本研究では口腔扁平上皮癌に対するCetuximabのTS-1増強効果とそのメカニズムについて検討した。口腔扁平上皮癌細胞株HSC2,HSC3,HSC4をCetuximab(1μg/ml)と5-FU(1μg/ml)の併用にて処理したところ,それぞれ単独と比較して,有意な細胞増殖抑制効果,ヘキスト染色による顕著なDNA断裂化,さらにウエスタンブロット法によるp-EGFR,p-Akt,thymidylate synthase(TS)の発現減弱が見られた。またヌードマウス背部皮下にHSC2を移植後,Cetuximab(20mg/kg/日,2回/週,3週間腹腔内投与)とTS-1(6.9mg/kg/日,7回/週,3週間経口投与)との併用により顕著な抗腫瘍効果の増強が認められ,残存腫瘍においてTUNEL法によりTUNEL陽性細胞の増加が見られ,免疫組織染色によりp-Akt,TSの発現減弱が見られた。以上の結果から,CetuximabはTSの発現を抑制することによりTS-1の効果を増強する可能性が示唆された。