臨床神経生理学
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原著
練習時間の違いによって運動イメージが運動の正確さと脊髄前角細胞の興奮性に与える影響は異なる
福本 悠樹鈴木 俊明岩月 宏泰
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2019 年 47 巻 2 号 p. 82-92

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抄録

運動練習後の運動イメージが運動の正確さと脊髄前角細胞の興奮性の関連性にどう影響するか検討した。健常者44名 (平均年齢20.8歳) を無作為に10秒間, 30秒間, 1分間, 2分間の練習時間群に振り分け比較した。安静のF波測定後, ピンチ力を50%MVCに調節する練習を与えた。練習後, ピンチ課題を与え, 規定値と実測値の誤差を算出した。運動イメージにてF波測定後, 再度ピンチ課題を与えた。イメージから安静の振幅F/M比と出現頻度を引いて振幅F/M比と出現頻度変化量を, イメージ後からイメージ前の誤差を引いて誤差変化量を算出した。誤差変化量と振幅F/M比変化量, 出現頻度変化量は, 30秒間・1分間の群で10秒間・2分間の群より減少した。運動イメージの実施が運動の正確さを向上させる場合は, 脊髄前角細胞の興奮性が増大するがその程度が過剰とはならない可能性が示唆された。

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© 2019 一般社団法人 日本臨床神経生理学会
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