抄録
2004年から2012年に経口的咽喉頭部分切除術(TOVS)を施行した症例のうち頭頸部表在癌40例43病変についての治療成績を検討した。5年粗生存率は85%,5年疾患特異的生存率は98%,5年局所制御率は97%(サルベージ例も含めると100%)であり,良好な治療成績が得られた。初回治療例36例において頸部リンパ節転移の頻度,内視鏡的病型分類に関する検討を行った。上皮内癌5例中でリンパ節転移率は0%,上皮下層癌31例中でリンパ節転移率は32%であった。また初診時にN0の上皮下層癌における後発リンパ節転移率は8.7%であった。腫瘍深達度が進むにつれてリンパ節転移は多く見られ,深達度が1mm以上の浸潤がある症例については表在癌であってもリンパ節転移に注意が必要である。内視鏡的病型分類に関しては0-Is,0-IIaといった隆起型を示す病型において浸潤が深く,リンパ節転移も多くみられる傾向がある。0-Iの中でも有茎性の0-Ipと広基性の0-Isはリンパ節転移の頻度が異なり,分類することが有用であった。