抄録
NCCNのガイドラインでは,頸部郭清術の術式は全頸部郭清術と選択的頸部郭清術に大別されている。選択的頸部郭清術の適応は頸部リンパ節陰性例に対する予防的頸部郭清術であり,頸部リンパ節転移陽性例に対しては原則として全頸部郭清術が推奨されている。しかしながら,頸部転移陽性の咽喉頭癌に対しても選択的頸部郭清術の適応を主張する報告がいくつもある。
そこで,現在のわが国における咽喉頭癌に対する頸部郭清術の方針について,139の頭頸部がん専門医研修施設へアンケート調査を施行した。124施設から回答が得られ,アンケートの回収率は89.2%であった。頸部リンパ節陽性例に対しては,全体の78%が選択的頸部郭清術支持であった。これらの施設ではN1,N2症例に対しても症例を選択して積極的に選択的頸部郭清術が行われているのが現状であることが明らかとなった。今後は,咽喉頭癌に対する選択的頸部郭清術の適応についての標準化が必要である。