抄録
【目的】新たな頭蓋底欠損分類として,前頭蓋底,中頭蓋底に対して各々欠損の中心を篩骨篩板(I),側頭下窩(II)に設定し,限局型(Ia,IIa),水平進展型(Ib,IIb),垂直進展型(Ic,IIc),皮膚合切(S),眼窩内容摘出(O)と定義した。Ia,Ic,IIa,IIcは局所皮弁で,Ib,IIbおよびS,Oを含めたこれらの複合欠損は遊離皮弁で再建すると定義した。本研究の目的は,これらの想定した再建法と実際に行った再建法がどの程度一致するかを検討することにある。
【対象】2000年7月~2012年1月に当院で頭蓋底再建を行った127例を対象として検討を行った。性別は男性73名女性54名で,年齢は2~79歳(中央値44歳)で,原疾患は悪性76例良性51例であった。
【結果】新しい欠損分類に従って,全例分類可能であった。欠損分類と想定された再建方法の一致率は92~100%であり,手術治療を要したMajor合併症はIc欠損で特に高頻度に見られた。
【考察】新しい欠損分類によって再建方法が術前に予測しうること,また合併症の発生予測や,術式の改善,欠損部位から予想される合併症の早期の対応が可能となることが示唆された。