頭頸部癌
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舌癌における術前化学療法が切除断端に及ぼす影響について
柳本 惣市山田 慎一高橋 英哲川﨑 五郎吉冨 泉川北 晃子池田 久住白石 剛士李 進彰関 幸子藤田 修一池田 通古森 孝英朝比奈 泉梅田 正博
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2013 年 39 巻 4 号 p. 435-442

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抄録
局所進行頭頸部癌における術前化学療法(NAC)については,遠隔転移の抑制や臓器温存に繋がったとされているものの,生存率の向上は証明されていない。その有効性については混沌としており,NACを支持するエビデンスレベルの高い報告はみられない。手術主体の治療を行った舌癌73例について臨床的に検討し,NACが切除断端に与える影響について考察した。
NAC,リンパ節転移,浸潤深さ,局所再発,神経周囲浸潤および切除断端近接が有意な予後因子であり,とくに局所再発は独立した予後因子であった。手術単独療法は良好な治療成績が得られたが,NACを行うと局所再発率は逆に増加していた。NACを行うと,切除断端が近接し切除されることが多く,局所再発そして予後不良へとつながる可能性が示唆された。NAC局所再発症例において浸潤最先端部周辺の細胞塊はABCG2陽性であったことから,NAC局所再発の機序として癌幹細胞様細胞が関与している可能性が示唆された。
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© 2013 日本頭頸部癌学会
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