頭頸部癌
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頭頸部表在癌の診断と治療
口腔表在癌の治療
岩本 修轟 圭太小野 剛治前田 明輝楠川 仁悟
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2014 年 40 巻 1 号 p. 5-11

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抄録

口腔表在癌69例(舌癌32例,歯肉癌22例,口底癌10例,頬粘膜癌5例)の術前診査および治療態度を検討した。病変描出率はCT(21.9%),MRI(42.4%)より舌エコー(89.9%)が有意に高かった。NBIで食道癌頻発の異常血管type3,4(有馬分類)が約80%観察できた。細胞診の正診率は77.9%だったが偽陰性症例のうち66.7%はNBI異常血管像により是正診断ができた。NBIで識別した病変領域はヨード不染帯と一致性が高かった。NBIで異常血管type4の発現,かつ病理組織学的浸潤様式YK-4症例では頸部リンパ節後発転移の可能性が高かった。手術は癌播種に配慮したexcisional biopsyが多かった。自家蛍光,赤外光観察にて癌病変像を強調して視認することができた。以上の知見より口腔表在癌治療に多用するexcisional biopsyを確実に実施するには従来の検査にNBI他,特殊光術前観察を加味して診断の向上,確実な病変範囲の把握が必要と考える。

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© 2014 日本頭頸部癌学会
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