頭頸部癌
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その他臨床
当院における再発・転移頭頸部がんに対するドセタキセル・シスプラチン併用(DC)療法の遡及的解析
島田 貴信清田 尚臣今村 善宣森本 浩一斉藤 幹西村 英輝大月 直樹佐々木 良平丹生 健一
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2014 年 40 巻 4 号 p. 490-496

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抄録
目的:再発・転移頭頸部がんに対するドセタキセル・シスプラチン(DC)療法の安全性および効果について後方視的に検討する。
対象および方法:2006年7月から2012年10月までにDC療法を実施した再発・転移頭頸部がん患者24例。
結果:扁平上皮癌(上咽頭がん3例を除く)17例を対象とする有効性に関する検討では,奏効割合47%(完全奏効 18%,部分奏効 29%),生存期間中央値390日,無増悪生存期間中央値188日であった。全24例を対象とする安全性に関する検討では,有害事象は発熱性好中球減少が8例(33%)にみられ,そのうち5例は1コース目で発症していた。有害事象のために減量が必要となった,または治療を中止した症例はそれぞれ12例(50%),2例(8%)であった。治療関連死亡は認めなかった。
結論:再発・転移頭頸部扁平上皮癌に対するDC療法は既報と同程度の治療効果を示した。実施にあたっては発熱性好中球減少に対する適切な対応が必要と考えられた。
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© 2014 日本頭頸部癌学会
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