頭頸部癌
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その他臨床
食道内腔からの穿刺による局所麻酔下での新しい二期的ボイスプロステーゼ挿入法
福原 隆宏藤原 和典三宅 成智片岡 英幸北野 博也
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2015 年 41 巻 1 号 p. 83-89

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抄録
無喉頭患者の代替音声の一つであるボイスプロステーゼの挿入は,二期的挿入は合併症の危険が大きいとされ,一期的挿入が推奨されている。しかし,二期的挿入が必要な患者も多く,簡易な二期的挿入法の開発が求められていた。われわれが報告した局所麻酔下での新しいボイスプロステーゼ挿入法(Fukuhara Method;福原法)は,これまでの二期的挿入法の欠点を克服し,誤穿刺の危険を排除した。本手法により2011年から35名の患者に施行した。35名中34名で挿入でき,手術時間の中央値は10分であった。皮弁による再建の有無,放射線治療の既往の有無で手術時間に差はなかった。手術による合併症は認めず,挿入直後からの経口摂取と発声が可能であった。局所麻酔下での新しいボイスプロステーゼ挿入法(福原法)は,二期的ボイスプロステーゼ挿入方法として広く勧められる。
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© 2015 日本頭頸部癌学会
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