2016 年 42 巻 3 号 p. 299-303
フッ素-18標識のフルオロデオキシグルコース(FDG)を用いたポジトロン放射断層撮像法(PET)検査は,腫瘍性疾患の治療方針を考慮する上で広く行われる画像診断法のひとつである。現在は一体型PET/CT装置で撮像されることが一般的で,PETで得られる代謝画像はCTの形態画像とともに評価できるため,“どこで何がおきている”という情報がPET/CT検査によって提供される。FDG-PET/CT検査の目的を大別すると,(i)病変を検索すること,(ii)病変を評価すること,になる。病期診断や再発診断,原発不明癌の原発巣検索は前者に,鑑別診断や治療効果判定は後者に属する。FDGの集積による鑑別診断は困難であり,組織学的検索に代わるものではないが,FDGの集積程度を利用することによって,形態のみでは判定しづらい活動性病変を効率的に検索・評価することが可能となる。PET検査の特徴について,将来展望もふまえて解説する。