頭頸部癌術後の画像評価は,術前と比較して解剖学的構造が大きく変化しており,化学療法や放射線治療が追加されると様々な修飾が加わり評価がより困難になる。術後の画像評価には形態的変化の詳細な読影が重要であり,過去画像との比較が必須であるため,治療終了後6~12週にベースラインとなる検査を施行しておくことが望ましい。局所再発およびリンパ節転移再発においては,いずれの場合もベースライン検査を基準とした過去画像との比較により増大あるいは新規病変が検出されたときには再発の可能性が高い。縮小や内部性状変化など画像所見に変化が生じているときには再発なしとは断定できない。また術後のリンパ節転移再発は,通常のリンパ経路以外の領域にも注意をする必要がある。頭頸部癌の再発に対する追加治療は予後やQOLに寄与するため,再発が疑わしい所見が検出された際には,短期間での画像再検も躊躇せず,早期発見に努めることが重要である。