頭頸部癌
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第7回教育セミナー
薬物療法総論(分子標的薬・化学療法)
安藤 雄一大田 亜希子坪井 理恵
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2016 年 42 巻 3 号 p. 309-315

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抄録

頭頸部がん領域に限らず,がん薬物療法は臨床試験のエビデンスを根拠に行われる。減量など標準治療を変更する場合はその理由を明らかにする。局所進行頭頸部がんの切除不能例ではシスプラチン併用の化学放射線療法が標準治療である。放射線療法とセツキシマブ併用も選択肢になるが,化学放射線療法と直接比較した臨床試験はない。術後の化学放射線療法は根治切除後再発高リスク群に対して行う。局所進行切除可能例で喉頭温存を目的とする場合,化学放射線療法とともに,導入化学療法とその後の放射線療法(または化学放射線療法)も選択肢になる。転移再発例では薬物療法の目的は多くの固形がんと同様に延命・症状緩和である。初回治療はシスプラチンと5-フルオロウラシルにセツキシマブを追加する3剤併用が標準治療である。二次治療以降はパクリタキセル,ドセタキセル,S1,セツキシマブが使用される。

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© 2016 日本頭頸部癌学会
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