抄録
近年は3D-CTにより顔面骨の形態は,きわめて詳細に評価が行えるようになったが,全身麻酔の手術中には容易にはCT検査を行うことができない。超音波検査での評価法もあるが,全体像を把握できない。2015年に京都大学医学部附属病院に国内初の移動式コーンビームCTが導入され,形成外科でも顔面骨の骨折や変形の手術において使用している。術中にCTを撮影し,即時に3D画像を構築することで,3D-CTレベルで手術効果を判定できるため,緻密な整復,形成手術が可能となった。手術の精度と安全性を高めるために有用であると感じている。移動型コーンビームCTの形成外科での使用経験について述べる。