頭頸部癌
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頭頸部癌における画像診断の進歩と今後の展望
CT画像診断の進歩と頭頸部癌への臨床応用
久野 博文
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2018 年 44 巻 4 号 p. 342-346

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抄録
頭頸部癌の評価においてCT検査は最も広く使用され,適切な治療方針を決定するために重要な役割を果たしている。近年のCT技術の進歩により,通常のCT画像だけでなく,より詳細な追加画像情報が取得できるようになり,頭頸部癌に対する診断能向上に寄与している。Dual energy CTは,軟部組織とヨード造影剤を識別したヨード強調画像が作成可能で,喉頭癌・下咽頭癌による喉頭軟骨浸潤の評価に応用されている。320列面検出器CTでは,骨サブトラクションヨード強調画像が頭頸部癌による頭蓋底や下顎骨などの骨浸潤評価(特に骨髄浸潤の評価)に有用である。また,SEMARなどの金属アーチファクト低減アルゴリズムは,口腔内金属による画像劣化を低減することができる。
今後の展望としては,CT画像を用いたテクスチャ解析やradiomics解析による予後・治療効果予測が個別化治療に向けて開発されている。
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© 2018 日本頭頸部癌学会
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