2019 年 45 巻 1 号 p. 41-45
再発・遠隔転移性頭頸部癌に対して,免疫チェックポイント阻害薬であるニボルマブが承認されたが,従来の抗癌剤や分子標的治療薬とは異なる反応や治療効果が示されている。先に承認された非小細胞肺癌においては免疫チェックポイント阻害薬投与後の救済化学療法の有効性が高いことが示されている。今回,後方視的にニボルマブ投与を行った再発・転移性頭頸部扁平上皮癌の12症例を検討し,その中で病勢が進行し後治療として救済化学療法を行った5症例についてさらに詳細に検討した。救済化学療法は,タキサン系薬剤を含むレジメン(60%)とプラチナ系薬剤を含むレジメン(40%)を使用した。ニボルマブの奏効率は16.7%,病勢制御率は33.3%であった。一方,ニボルマブ後の救済化学療法の奏効率は40%,病勢制御率は80%であった。ニボルマブ治療により,救済化学療法の感受性が高まり有効性が期待できる可能性が示唆された。