抄録
CheckMate 141試験において,再発・転移性頭頸部扁平上皮癌に対してニボルマブは医師選択治療と比較して全生存期間(OS)を有意に延長することが示された。しかし,同試験には扁平上皮癌以外の組織型および上咽頭癌は含まれていない。今回我々は,当院でニボルマブを投与した頭頸部癌28例について後方視的に検討した。本検討では,非扁平上皮癌が2例,上咽頭癌が9例含まれていた。全症例の無増悪生存期間(PFS)中央値4.3ヶ月,OS中央値は未到達であった。測定可能病変を有する24例の検討で,奏効率は16.7%,病勢コントロール率は54.2%であった。免疫関連有害事象(irAE)は46.4%で発症し,Grade 3のirAEは7.1%で発症した。irAE発症群は未発症群と比較して有意なPFSの延長が示された。本検討では非扁平上皮癌や上咽頭癌の症例が含まれていたが,ニボルマブの有効性が示されていた。