頭頸部癌
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原著
振動を利用した穿刺吸引細胞診による甲状腺 微小結節病変に対する有用性の検討
北野 正之堀 龍介児嶋 剛岡上 雄介藤村 真太郎庄司 和彦
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2019 年 45 巻 4 号 p. 403-407

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抄録

穿刺吸引細胞診(FNAC)を1cm以下の甲状腺病変に適応するかどうかは悩ましい。天理よろづ相談所病院では,診断精度・安全性向上目的に独自のFNAC機器(振動FNAC)と採取手技を開発し,過去に有用性を報告した。今回は,甲状腺微小結節を対象としてFNACの確実性向上と意義について検討することを目的とし,振動FNACを利用し検査を行った甲状腺微小結節病変について検討した。対象は2014年1月〜2015年12月に1cm以下の甲状腺病変に対しFNACを行った265患者312検体。検体不適正率を,全体・術者・腫瘍の部位・石灰化の有無・嚢胞の有無で検討した。 対象全検体中の検体不適正率は8.3%であった。術者間および腫瘍の部位,性状でも差は認めなかった。 当院のFNAC機器と採取手技は,1cm以下の甲状腺結節に対して良好な成績が得られた。

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© 2019 日本頭頸部癌学会
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